男性子育て日記 

二歳の女の子とゼロ歳の女の子の父親です。本や登山や趣味の話も綴っていきます

「やっちまった!」娘の寝かしつけして、ふと思ったこと

 「やっちまった!」目が覚めたら、時計の針が午前0時を過ぎていた。さっきまで娘と一緒にベットに横になっていたはずなのに!気がついたらこんな時間になっていた。

 

「トト!一緒におねんねして!」と午後9時に娘と言われて、僕はそのままベットに横になった。なかなか娘は寝なくて、お話をしたり、子守歌を歌ったりしていた。

 

 それでも眠らないので、僕は寝たふりをして娘が眠りにつくのを待った。

 

 「トト寝たの?」「起きて!起きて!」と娘が耳元でつぶやくけれど、聞こえないフリをして僕は寝返りをうった。

 

 妻が赤ちゃんのオムツを替えるために、ゴソゴソ音がしているので目が覚めた。

 

 「やっちまった・・・」ボソっと言葉が口からこぼれ落ちた。

 

 リビングに降りていくと電気はつけっぱなし、食べ終わった食器はシンクに山盛りになり、コンロの上には使い終わった後の鍋やフライパンがそのままだった。

 

 湯沸し器のリモコンに目をやると、ガス給湯器もオンの電源がつけっぱなしになっていた。

 

 「あぁ・・・。このまま寝て明日にしちゃおうかなぁ」と僕は思った。見なかったことにして寝床に戻りたかった。

 

 でも、お風呂に入っていないので、首回りが汗でギトギトしている。服もちょっと中年男性の臭いがする。40歳を目前にした身体から洩れる臭いにまだ僕は耐えられなかった。

 

 食器を軽く水洗いして、食洗器の中に並べていく。鍋やフライパンはスポンジで洗ってキレイにした。

 

 お風呂に入って湯船につかる。娘が使ったお風呂用おもちゃがプカプカ浮いていた。お湯で顔を洗うけど、あんまりさっぱりしなかった。

 

 肩までつかりながらボーっと過ごす。ふいに仕事場のことを思い出す。僕は職場に復帰できるのだろうかと不安になる。僕の居場所はあるのだろうか。

 

 考え出すと止まらない。早く風呂から出て、ベットで寝ればいいのに。結局1時間お風呂で過ごした。時計は午前1時半になっていた。

 

 炭酸水を飲んで、ソファーに座る。すでに目が覚めて、眠れる状況ではなかった。経験的に、眠れないときにベットに横になり、モゾモゾしても寝られない。妄想が膨らみ苦しめられる。それなら起きて、本を読み、眠気が訪れるのを待った方が結果的に早く寝れる。

 

 僕は本に手をのばした。

 

 最近読んでいるのは『勉強の哲学 来るべきバカのために』著:千葉雅也の本を毎日ちょっとづつ読んでいる。バカになるっているのは、ノリが悪くなることで、ノリが悪くなるってことは、環境に依存している自分を俯瞰して見られるようになることだって

読んだ箇所に書いてあった。勉強するっていうのは自己破壊をすることで、深く物事考えられるようになるから、バカになるのはいいよって話だった。

 

 職場で男性が長期で育休取ったのは、僕が初めてくらいのケースだと思う。もうすでにノリが悪い人間になれてるかもしれない。

 

 去年(2022年)の9月、職場の上司に8ヵ月の育休を申請するかどうか、ずっと悩んでいた。でも、最後の最後で言おうと決断したきっかけは、テレビ番組で日本で働く外国人特集をしていた。「ここが変だよ日本人」的な話題だったと思う。

 

 ある外国人が、「日本は上司が有休を取らせないんじゃなくて、部下が上司が取らせてくれないと勝手に思い込んで有休をとらない。それってヘンだよ」と言っていた。

 

 このコメントが僕の心にズドーンと響いた。

 

 お休みをもらうのは申し訳ない。人材不足で大変なときに休みをもらうなんて自己チューだっていう思いが僕の中にあった。

 

 でも、男性の育休を推進しようと政府も施策を打ち出し、メディアも大きく報道しているのに、勝手に会社を忖度してしまう会社員に違和感もあった。

 

 僕は、この違和感にどうしても抗うことができなかった。だから育休を申請した。たぶん、育休を申請しなかったら一生後悔していたと思う。

 

 会社に忖度した生き方はもうできないと思う。